「しんぶん赤旗」2012/05/30
諫早を地域再生の象徴に
長崎県議会委 開門派を意見聴取

 長崎県議会農水経済委員会は29日、諫早湾干拓事業(諫早市)における開門派5人を参考人として意見聴取しました。開門反対がほぼ全員を占める県議会では異例のことです。

 参考人は、「よみがえれ!有明」訴訟弁護団の馬奈木昭雄弁護団長、堀良一同弁護士、後藤富和同弁護士、瑞穂漁協の石田徳春組合長、農業者の横林和徳ら5氏。堀氏は経緯説明と近年の漁業被害の大規模化、訴訟の意義など、開門派の意見を説明しました。石田氏は漁業者の深刻な実態を訴え、横林氏は調整池の水に頼らない代替水源の案をいくつか提案しました。後藤氏は干潟で環境保全をアピールし、観光客を誘致した韓国・スンチョン市を紹介。干潟の持つ可能性を強調しました。

 馬奈木氏は「今の諫早は、争いや対立の象徴になっている」と指摘。スンチョン市のような成功は政治の介入が不可欠と付け加え、「いさかいはやめて、知恵を出し合い、『諫早』を地域再生の象徴にしよう」と農漁共存の道を訴えました。

 各議員からの意見交換の質疑後、民主党の山田博司委員長は「入口は違っても目指す地点は一緒。開門の賛成反対は別にしても、有効な方法があれば国に対して提案していくべき」と語りました。