「しんぶん赤旗」2012/03/28
長崎・五島市
豪華図書館建設を撤回
署名1・7万人 住民の声実る

 長崎県五島市は「豪華すぎる」と批判を浴びた新図書館建設計画を撤回しました。市議会は26日、建設計画が撤回された予算案を全会一致で可決しました。

 新図書館は市立図書館老朽化を理由に木場町・旧五島中央病院跡に2014年開館予定で計画。昨年12月議会の日本共産党・向原安男市議らの質問で建設計画の問題点が発覚しました。13億円を超す建設費用と現在の2倍以上となる約8500万円の維持管理費が問題となりました。予想される市の人口・交付税の減少による財政危機懸念の中で「身の丈に合わない図書館よりも暮らしの応援を」の声が市民から上がりました。

 2月27日、「図書館建設を考える会」(代表=南忠明司法書士)が市の人口の4分の1に当たる建設反対署名約1万人分を1カ月足らずで集めて市役所に提出に訪れた際、中尾郁子市長は面会約束を一方的にキャンセル。中尾市長の不誠実な対応に市民の怒りはさらに広がり、25日までに署名1万7081人分が寄せられ、市は図書館建設計画撤回に追い込まれました。

 向原市議は「何より市民が声を上げ、市政に関心を持ったことが大きい。市民と力を合わせ、今後のまちづくりを進めていきたい」と話しています。