「しんぶん赤旗」2012/03/01
諫早開門
長崎県知事が判決無視の発言
原告漁民ら公開質問状

 「よみがえれ!有明海」訴訟の原告漁民、同弁護団と「支援する長崎の会」は2月29日、長崎県の中村法道知事に対して国営諫早湾干拓事業(同県諫早市)の潮受け堤防開門についての公開質問状を提出しました。県側はいったん面談を拒否しましたが、抗議を受け、質問状を受け取りました。

 提出行動には、漁民原告で瑞穂漁協(長崎県雲仙市)副組合長の室田和昭さん、弁護団の馬奈木昭雄団長、堀良一事務局長、紫藤拓也弁護士らが参加。

 公開質問状は、中村知事が昨年12月19日付「朝日」インタビューで「常時開門なら魚場は全滅」「対策費に数千億円かかる」「開門に効果はない」「漁業被害と堤防閉め切りの因果関係はない」と述べた根拠を2週間以内に回答するよう要求。3月26日に県庁で原告、弁護団と面談するよう求めました。

 馬奈木弁護団長は「知事の発言は開門を命じた福岡高裁判決を無視する行政の長にあるまじきものだ」と指弾。「私たちが求める農業と漁業の両立を目指す話し合いを知事は拒否している」と批判し、「対策費や開門による『被害』を言うなら根拠を示すべきだ」と迫りました。

 県諫早湾干拓課の担当者は「どんな対応をするか、ここでは答えられない」と述べるにとどまりました。