「しんぶん赤旗」2012/02/28
長崎・五島 豪華図書館より暮らし充実
市議会に1万人署名
 長崎県五島市の図書館建設計画をめぐり、住民が「豪華すぎる」と反対の声をあげています。「図書館建設を考える会」(代表=南忠明司法書士)は27日、1カ月足らずで集めた市の人口の4分の1に相当する1万208人分の建設反対請願署名を、熊川長吉市議会議長に提出しました。

 現図書館の老朽化を理由にした新たな図書館建設計画の問題点は、昨年12月議会の日本共産党・向原安男市議らの質問で発覚。予想される市の人口・交付税の減少による財政危機懸念の中、問題とされたのが約13億1000万円もの建設費用と維持管理費。維持管理に現図書館の年約4000万円の2倍、約8500万円が必要とされ、「豪華すぎる図書館には反対」の声が噴出しました。

 同市は、国保世帯平均所得額が県内最下位の21位にとどまっていることから、「身の丈に合わない図書館よりも市民生活の充実を」として、「考える会」が今月初めから反対署名に取り組みました。

 署名を受け取った熊川議長は「1万を超える数には重みがある」とのべました。

 考える会は同日午前に中尾郁子市長にも陳情の面会約束を取り付けていましたが、中尾市長は土壇場でキャンセル。約1万人の市民の声を無視する形となりました。

 南氏は「市長の対応は、署名の圧力に耐えられなかったため。議会の対応を見て、今後の運動を進めていきたい」と話しました。