「しんぶん赤旗」2011/12/27
ノリとれない 
有明海漁民、県に救済求める

  有明海全域で秋芽ノリの大不作が起き、長崎県内では例年の十数%しか収穫できない問題で「よみがえれ!有明訴訟」弁護団・原告団と瑞穂(雲仙市)、有明(島原市)の両漁協は26日、国営諫早湾干拓事業(長崎県諫早市)の潮受け堤防からの汚濁排水が原因として、有明特措法にもとづく緊急救済措置を国に要請するよう県に申し入れました。

 漁民約30人が参加。日本共産党の仁比聡平前参院議員・弁護士と堀江ひとみ県議が同席しました。

 有明漁協の篠塚光信さんは「ノリ漁期に排水はしないよう申し入れていたのに、数回排水された。網に付着した汚れは排水が原因」と訴えると、県は「芽流れ・芽傷みの原因は気温・水温の高さと雨の多さから起きるもの。西日本全部のノリの状況が悪い」と因果関係を否定しました。

 漁民側は「高温多雨は以前もあったが、これほどの大被害はない」と指摘。開門反対を唱えて漁業被害を拡大する県を批判しました。

 申し入れ後、有明漁協の24歳の男性は「水槽に汚い水を入れれば魚は死ぬ。諫早湾の状況も同じ。自分と同年代が漁業者に従事しようとしない実態を県は分かっているのか」と漁民の窮状を訴えました。