「しんぶん赤旗」2011/7/6
漁民「協議」呼びかけ
 諫早開門阻止訴訟の初弁論

 国営諫早湾干拓事業(長崎県諫早市)で設置された潮受け堤防排水門の開門差し止めを求める訴訟の初弁論が5日、長崎地裁(須田啓之裁判長)でありました。

 原告は、干拓地を所有する長崎県農業振興公社(理事長・田中桂之助副知事)、干拓地の農家など。開門を求める「よみがえれ!有明海訴訟」の原告団・弁護団が補助参加しています。

 国は「開門しても万全の対策を取るので、農業・防災に問題は生じない」とする答弁書を提出。開門を求める小長井・大浦訴訟原告団長の松永秀則さん(諫早市)が補助参加人として意見陳述しました。

 松永さんは「私たち漁民は自分たちだけがよければいいなどとは考えていません。ともに食料を国民に提供するものとして、同じ長崎県民・諫早市民として手を取り合って開門へ向け話し合いましょう」と呼びかけました。

 原告農家側は「開門しても効果はなく、むしろ農業などに重大な被害が生じる」などと主張。防災や農業への影響についての懸念を述べました。