「しんぶん赤旗」2011/3/8
カネミ油症事件 関心を持ち続けてほしい 
被害者と対談

  「カネミ油症事件を考える」実行委員会は5日、長崎市内でルポライター・ルポルタージュ研究所代表の明石昇二郎さんを招き、カネミ油症被害者の下田順子さんと対談しました。


 カネミ油症事件は、カネミ倉庫(北九州市)の食用米ぬか油の製造過程で、有害化学物質ポリ塩化ビフェニール(PCB)が混入し、1968年頃、西日本一帯で発生。被害届は約14000人に及んでいます。
 油症の主因はPCBが熱変化した猛毒ダイオキシン類で、大きな健康被害を引き起こしました。この事件の裁判は20数年前に終結していますが、被害者は国に恒久的な対策を求めいます。

 被害者2世である下田さんの長女が健康被害に苦しんできたことを告白。明石さんは、「被害者は普通に売ってあった油を食べただけで、誰にでも起こりうる可能性がありました」と指摘。「カネミ油症に関心を持ち続けてほしい。事件を風化させないことが大事です」と訴えました。