「しんぶん赤旗」2011/1/27
開門へ和解協議検討 
諫干訴訟で国と原告

 国営諫早湾干拓事業で諫早市小長井町など湾内の漁民らが潮受け堤防の開門を求めている裁判で25日、長崎地裁(須田啓之裁判長)は裁判の進行協議をおこない原告と国が和解協議に向け話し合うことになりました。

 諫早干拓をめぐっては、有明沿岸4県の漁民らが起こしている裁判で福岡高裁は昨年12月6日、国に開門を命じる判決を出しています。

 同判決を受け、この日の進行協議では、国側が「開門を円滑に進めるには時期や方法について関係者と一定の合意が必要」として、3月27日の判決の延期を求めました。弁護団は「条件が整わなければ、延期は認められない」として、農業用水確保の問題の解決策と段階的開門に向けての準備を急ぐ必要がある、と具体策の提示を求め、次回の進行協議で話し合われることになりました。

 進行協議後、「よみがえれ!有明訴訟弁護団」は報告集会を開きました。堀良一弁護士が高裁判決について、「国には3年以内に排水門を開放する義務がある。事実認定によって国の訴えを退けた判決である」と改めて評価し、「国が開門に向けての具体的な話をしなければ、営農者も市民も何が起こるのかわからず、不安を抱くのは当然」とのべました。

 原告でもある、小長井町漁協理事の松永秀則さんは「早く和解協議ができて、早期開門につながればいい」と語りました。