「レッドパージ」被害者の救済を
 県弁護士会が国に勧告

 長崎県弁護士会(原章夫会長)は11日、「レッドパージ」被害者への救済を求める勧告を国に行ったと発表しました。

  同弁護士会によると、2006年に戦後のGHQ占領時代に日本共産党員であることなどを理由に職場から追放された「レッドパージ」被害者7人(うち1人は死亡)から、同会に人権救済の申し立てが行われていました。
 これを受け県弁護士会では「人権擁護委員会」で、審査・審議をすすめてきました。

 原会長は、いわゆる「レッドパージ」は「思想良心の自由、法の下の平等、結社の自由を侵害するものである」と指弾し、「申立人らに非があるかのように取り扱われ名誉を侵害されたばかりでなく、生活の糧を失い、生涯にわたる著しい被害を被ってきた」と指摘しました。
 そして、「申立人がすでに高齢であることに鑑み、速やかに名誉回復や補償を含めた措置を講ずる」よう、勧告したと述べました。

 同会によると、こうした勧告は、日弁連、横浜弁護士会に続き3例目ということです。

 会見に同席した申立人の一人、長崎市の南嘉昭(よしあき)さん(82歳)は、「人に後ろ指を指されるようなことは、何もしなかった。思想・信条の自由を主張しただけで、パージされた。弁護士会の勧告が出されたことは、涙が出るほど嬉しい」と語りました。