「しんぶん赤旗」2010/8/10
核廃絶交渉 すぐに
原水爆禁止世界大会が閉幕

長崎から各国政府へ手紙

 「いますぐ核兵器を廃絶しましょう!」「永遠に廃絶しましょう!」―。9日、2千人が参加して長崎市民会館体育館で開かれた原水爆禁止2010年世界大会・長崎は、海外代表の日本語による呼びかけに応じた参加者の力強い唱和が会場を包みました。

「核の傘」 日本は離脱を

 大会では、すべての国の政府に、核兵器廃絶条約のすみやかな交渉を開始するよう求めた「手紙」を採択。「核の傘」からの離脱を日本政府に迫り、被爆の実相をさらに解明、世界に広める―などの行動が提起されました。

 被爆65年、2日から広島、長崎両市で開かれていた原水爆禁止世界大会は同日閉幕。主催者報告した大会実行委員会議長団の安斎育郎氏は、「核兵器廃絶という人類史的事業をやり遂げよう」と力強く呼びかけました。

 被爆者を代表して田中煕巳・日本原水爆被害者団体協議会事務局長が「唯一の核被爆国を標ぼうしながら、核抑止にしがみつく矛盾をどう考えるのか」と日本政府を批判。非核三原則の法制化などを訴えました。

 政府を代表してキューバ、アラブ連盟の代表2氏が発言。アラブ連盟のモハメド・エゼルディン・アブデルモネイム特別顧問は「日本の平和運動が強くなれば、世界の平和運動も強くなる」と参加者を激励しました。

 国内外の反核・平和団体から「日本のどこにも基地はいらない、核兵器もいらない」(鹿児島県徳之島)など、平和を壊すあらゆる動きに運動を強める決意が語られました。

 「人類と核兵器は共存できない」「長崎を最後の被爆地に」などそれぞれの願いを胸にした参加者は、国際政治の共通目標となった「核兵器のない世界」をいっそう前進させる決意を固めました。

 広島世界大会にも参加した長崎県の女性(26)=作業療法士=は、「世界が核兵器廃絶に向かっていることが分かりました。被爆者の『原爆についてもっと知ってほしい』という声を聞き、これからも学んでいきたいと思った」と語りました。