2010年7月25日(日)「しんぶん赤旗」

「有明海再生へ開門を」 

諫早市で漁業者ら緊急集会

  諫早湾開門調査を求める諫早市民の会と諫早湾の干潟を守る諫早地区共同センターは24日、諫早市で諫早湾干拓の潮受け堤防の開門を求める「有明海・諫早湾の再生をめざす緊急集会」を開きました。2月に開門賛成を決議した瑞穂漁協の室田和昭副組合長など漁業者、研究者、市民ら約300人が参加しました。

 集会では、有明海の異変について長年研究してきた熊本県立大学の堤裕昭教授、熊本保健科学大学の高橋徹教授、長崎大学の田北徹名誉教授が、長崎県が行った「開門反対」の宣伝に対し、研究成果を基に反論しました。

 堤氏は、赤潮の発生急増について、干潟消滅による海流の速度の低下、海水と淡水の混合が弱ったことがあると解明。「原因究明のために開門調査が不可欠だ」と述べました。

 高橋氏は、海外の研究も紹介しながら、調整池(堤防内側の池)について、アオコの大量発生や毒によって「農業用水にはとても使えない」と話し、「現状では、とても農業は成り立たない」と指摘しました。

 田北氏は、国・県側の主張に科学的な論立てがないこと、国などによる「有明海再生事業」の危険性を明らかにしました。

 「よみがえれ!有明海訴訟」の馬奈木昭雄弁護団長が報告。有明海沿岸の漁民が干拓事業へ協力した思い、海の惨状などを語り「豊かな有明海を取り戻すため、開門実現へこれからもがんばります」と訴えると、会場から大きな拍手が送られました。