「しんぶん赤旗」2010/5/26
海回復に開門不可欠 
有明訴訟で証人訴え


 諫早湾干拓潮受け堤防の開門を求めている「よみがえれ!有明海訴訟」小長井・大浦漁民の裁判が25日、長崎地裁(須田啓之裁判長)で開かれ、研究者、漁業者2人に対する証人尋問が行われました。

 元中央水産研究所研究室長で海洋化学が専門の佐々木克之氏が証言。科学的データをもとに諫早湾異変の原因は、「堤防閉め切りによる潮流の低下」だと指摘し、「開門が海を回復させる唯一の方法」だと述べました。

 原告団長の松永秀則さん(56)は、閉め切り後の漁場の変化と干拓事業で「一生を壊された」家族への思いを語り、さらに「干拓で20数人の漁民が命を絶った。これ以上の被害を出さないよう海を戻してほしい」と声を震わせました。

 この日、同時に3月提訴した瑞穂漁民裁判の第1回口頭弁論も行われました。

 原告団長で瑞穂漁協副組合長の室田和昭さん(67)が提訴に至った思いを陳述し、「わたしたちの後ろには多くの物言えぬ諫早湾・有明海の漁業者がいることを知ってください」と訴えました。

 堀良一弁護団事務局長は事前集会で、情勢は「開門」へ大きく動いていると述べ、「即時開門」の判決を勝ち取ろうと呼びかけました。

 日本共産党のふちせ栄子参院長崎選挙区候補が傍聴しました。