「しんぶん赤旗」2010/2/9
諌早湾干拓開門求める裁判 
裁判官の現地視察要求

 国営諌早干拓事業をめぐり、長崎県の小長井町漁協と佐賀県の大浦漁協の漁師らが国に対し、排水門の開門を求めた訴訟の12回目の口頭弁論が8日、長崎地裁(須田啓之裁判長)で開かれました。

 弁論後に進行協議が行われ、原告側は裁判官の現地視察を求めました。

 弁論で意見陳述をした小長井町漁協の漁師、中村則之さん(69)は「干拓工事前には捕れたタイラギが捕れなくなり、今捕っているっているアサリは、干拓工事が始まる前にはなかった赤潮に左右されています」と窮状を訴えました。

 中村さんは「北部排水門から排出される調整池の水がアサリの漁場をだめにします。この状況を改善するには開門しかありません」と述べ、「開門すれば町に活気が戻ります。開門しても農業と漁業は両立できます」と早期開門を求めました。

 諌早干拓事業をめぐる裁判では、すでに福岡高裁が現地視察の実施を決定しています。

 弁論後、原告団、弁護団と支援者らは報告集会を開きました。