「しんぶん赤旗」2010/1/28
カネミ油症救済早く 
早期の法制求め集会

 食用油に混入していたダイオキシンが原因で深刻な被害をもたらしたカネミ油症事件で、被害者らが24日、長崎市内で集会(カネミ新認定訴訟原告団など実行委員会主催)を開き、救済法の早期制定を求めました。

 カネミ油症被害者支援センターの藤原寿和事務局長はあいさつで、「40年以上被害者は放置されてきた。今度の国会でなんとしても全被害者の完全救済のための救済法を成立させたい」と決意を語りました。

 認定患者の下田順子さん(48)は、病気、貧困、差別と偏見に苦しんできた経験を語り、「治療法を見つけてほしい。国が早く調査していれば被害は防げた」と国の無策を批判。

 「黒い赤ちゃん」として生まれながら未認定という41歳の男性は、子どものときから十二指腸潰瘍や痒み、腫瘍、椎間板ヘルニアなど様々な病気に苦しんできたと語り、「症状を見ない国の基準ではわたしは一生認定されることはない」と国の基準の不合理さを告発。
 「2世、3世の子どもたちのためにも救済法の一日も早い制定を」と訴えました。

 現在、油症被害者の救済法はなく、被害者らは医療費の公的負担や療養手当の支給、治療法の開発などを求めています。