「しんぶん赤旗」2009/12/23
開門協議に応じよ 
諌早湾堤防めぐり原告
 長崎地裁


 漁業の再生のために諫早湾干拓潮受け堤防の開門を求めている小長井・大浦漁民の裁判が21日、長崎地裁で行われ、原告側の漁民と弁護士、2人が陳述しました。

 小長井漁協の山口富徳さんは、繰り返されるアサリ被害への怒りをぶつけるとともに「開門によって『宝の海』を取り戻すことが干拓工事に同意したわたしの責任」だと述べ、裁判所に、農業と漁業の共存のために話し合いによる解決策を示すよう求めました。

 堀良一弁護士は、開門への地元合意を妨げているのは国の訴訟上と訴訟外での二律背反の姿勢だと批判し、「開門が政権党の公約となったいまこそ、裁判所における開門協議に応じるべき」だと強調。
 因果関係が確定せずとも開門を有明海再生事業の一環として実施すべきだと主張しました。

 裁判後の進行協議で、国は和解協議に応じる意思がないことを明らかにし、裁判所は来年9月までに結審の意向を示しました。

 馬奈木昭雄弁護団長は、民主党政権に開門の公約を実行させるためには県内の世論がカギだと述べ、「わたしたちの提案が地元農民の利益にも合致している」と強調。来年5月の開門めざす考えを示しました。