「しんぶん赤旗」2009/11/12
本明川ダム 
地下水に悪影響 
集会で報告

 民主党政権が「凍結」を表明した長崎県諫早市の本明川ダムで、市民自身がダムについて考えようと市民団体が7日集会を開き、ダムの問題点について話し合いました。

 集会を開いたのは「本明川の治水と利水を考える会」(高谷記史代表)。ダムに頼らない治水や利水対策の検証、環境保全を目的に、先月発足しました。

 高谷氏は、水需要について事業再評価書をもとに、「計画は既存施設を廃棄し、本明川に水源を求めるもので、理解できない」と批判。

 グラフを示しながら、計画と実際の給水量との乖離を指摘しました。また、余剰水の存在などから「利水は不要」だと述べ、渇水時の対策として下水を高度処理した「ニューウォーター」の活用を上げました。

 さらに、治水対策の代替案として、環境に影響せず、低コストでできる暗渠や二層化によるバイパス案を紹介しました。

 元土木事務所職員は、ダムができれば流水量が減り、生物が生息できないこと、建設すれば市民の飲水である地下水に影響を与えることを怒りをもって報告しました。

 参加者からは、「渇水時にダムは有効か」「諫早のおいしい地下水を飲みたい。ダムは絶対反対」など疑問や意見が数多く出されました。