「しんぶん赤旗」2009/10/7
石木ダム
反対者を地域別集計 
市民団体が抗議


 石木ダム建設反対の署名を長崎県がコピーし、関係自治体に配布した問題で、この署名に取り組んでいる4市民団体は2日、川棚町長と県石木ダム建設事務所に抗議するとともに、事件の経過とその目的を明らかにするよう求めました。

 川棚町ダム対策室の担当者は、ダム建設事務所から「情報の共有」を目的に署名のコピーを受け取り、町職員の名前をチェック、町長に報告したことを明らかにしました。

 竹村町長は、署名した職員に「慎重に行動するよう」求めたことを認め、「町としてダム建設を推進しており、その職員として慎重であるべき」だとして、職員に注意したことを当然視しました。

 同日、市民団体はダム建設事務所に対しても同様の申し入れを行いました。
 松尾弥太郎所長は、署名をもとに反対者の分布を知るために地域ごとに集計したことを明らかにしましたが、「個人情報保護条例には反しない」との見解を表明しました。

 市民団体は、「県・町個人情報保護条例、思想信条、表現の自由を保障した憲法にも違反する」と反発を強めています。

 9月28日開かれた長崎県議会議会運営委員会で、県土木部長は、県として署名を使った働きかけはおこなっていないとし、関係自治体について調査する意向を示しました。