「しんぶん赤旗」2009/9/3
被爆者と諫早湾
長崎で写真展


 被爆地長崎で被爆者を撮り続けている写真家黒アリ生さんの写真展「”いのち”見つめて」が、長崎市のギャラリーコクラヤで8月28日から9月1日まで行われました。

 「被爆者」と「諌早湾」の2テーマで108枚が展示されました。

 「被爆者」では、被爆の痕跡の記録、被爆後64年間の苦悩の表情、原爆症認定訴訟や被爆者手帳を持たない被爆体験者の姿など。「諌早湾」では、湾閉め切り後の干潟の変貌、「有明海」崩壊の実態と苦悩し、たたかう漁民の表情など。

 一枚一枚の写真は、リアルに、表情豊かに被写体を描写し、“いのち”を見つめつつ、その尊厳とそれを損なってきたものを描き出し、“いのち”とは何か、その本質に迫ります。

 作者の40年を超える長年の撮影活動の足跡が観るものに伝わってきます。

 写真展を見た人たちからは、「時間、空間を切り取った一枚の写真の持つ迫力に圧倒された。被爆後を生き抜いてきた人の圧縮された生涯を、その表情から、身体全体から見ることができ、その迫力が迫ってきた」。

 「死に絶えた生物、金髪のノリ、赤潮。裁判で思わず声詰まらせる漁民の姿がダブる」など感想が語られました。