「しんぶん赤旗」2009/7/26
「恒久救済」求め宣伝 
カネミ油症の被害者ら


 PCBやダイオキシンが混入した食用油を摂取したことにより引き起こされたカネミ油症事件。この油症被害者らがこのほど、長崎市の鉄橋で被害者の恒久救済を求める署名に取り組みました。

 署名を行ったのは、被害者らでつくる「カネミ油症五島市の会」です。

 「カネミ油症事件はまだ終わっていません。今なお、わたしたちは被害に苦しんでいます。被害者救済の公的支援を求めています」と訴えました。

 署名では、被害者の実態調査、医療費の公的負担や生活支援、認定基準の見直しと未認定被害者の救済などを求めています。

 市民は足を止めて署名に応じていました。

 メンバーの一人は、「若い人の中には油症のことを知らない人も多い。この署名活動で知らせていければ」と話しました。

 カネミ油症事件は68年、カネミ倉庫が製造した食用油にPCB、ダイオキシンなどが混入し、それを食したことによって起きた食品公害事件です。

 当時、約14000人が保健所に届け出ましたが、「診断基準」によって油症と認定されたのはわずか約1800人でした。カネミ油症被害者には公的支援措置はなく、被害者は救済を求めています。