「しんぶん赤旗」2009/7/7
潮受け堤防排水抗議 
小長井漁協「事前協議ない」


 長崎県が3日、諫早湾干拓潮受け堤防から大量排水したことから、諌早市の小長井漁協の組合員ら約15人が漁業被害をもたらすとして諫早湾干拓堤防管理事務所に排水をやめるよう抗議。

 漁民らがドアを破って操作室に入室したため、一時、警察官が駆け付ける騒ぎになりました。


 同漁協は、今回の事態は県の対応が問題を引き起こしたとして6日、県に抗議しました。

 新宮隆喜組合長は、県が事前協議もなく一方的に排水したことに強く抗議しました。これまで、防災のためという目的のために干拓事業に協力してきたにもかかわらず、前提となる漁場環境の安定は全くできていないと強調。
 「漁民は頻発する漁業被害を耐え忍んできたが、漁民の怒りは頂点に達した」と強い怒りを表明しました。「排水停止の要望を聞き入れられず、今回の事態となった。ドアを壊したことは陳謝するが、事の発端は行政の怠慢が原因」だと主張しました。

 県は、背後地の冠水解消のため排水したと説明。組合員らは、「県が、森山地区の排水対策をしていない問題だ」「農業がよければ漁業はどうでもいいのか」など激しい怒りをぶつけました。

 県は、漁協と小潮時の排水は漁業に被害をもたらすとして排水しない旨の取り決めをしていました。3日は小潮でした。今年は、十数年ぶりに二枚貝の漁獲が見込まれており、漁業者は期待を寄せていました。