「しんぶん赤旗」2009/6/7
中学生自殺で要望書 
遺族が長崎市長に

 2004年3月、長崎市の市立中学校で2年生の安達雄大君が学校の窓から飛び降り、自殺した事件で、母親の安達和美さんが5日、長崎市長あてに要望書を提出しました。

 要望書は、▽文科省への報告の「自殺の理由」を「教師の叱責」とすること▽「転落事故」となっている「事故報告書」を「自殺」とし、裁判の判決等を添付すること▽当事者への事前開示など報告システムの改善―の三点を求めています。

 この事件は、雄大君が教諭の「生徒指導」中に自殺したものですが、安達さんによれば、自殺について学校、市教委から納得のいく説明がなかったといいます。

 また、県教委への報告が「転落事故」とされていたことから訂正を求めましたが拒否され、安達さんが事実を明らかにしてほしいと2006年提訴。昨年6月の判決は棄却だったものの、教諭の指導と自殺の因果関係を認めました。県教委は2007年文科省への報告を「自殺」と訂正したものの遺族への報告は行われていませんでした。

 安達さんは、「教師の叱責が自殺につながることもあると認識してほしい。同じことを繰り返さないためにも第三者調査機関の設置も含め、検討してほしい」と話しました。