石木ダム強制収容許さない 
市民団体がシンポ

 「石木ダムの強制収用は許さない」と、同ダムの建設に反対している「川棚清流の会」(森田正昭代表)は5月31日、長崎県川棚町の川棚中央公民館でシンポジウムを開き、約400人の住民らが参加しました。

 主催者が、「ダム建設は、そこに住む人たちの生活を奪い、自然を破壊するもの。その価値と必然性は疑問」だとあいさつ。

 今本博健・京都大学名誉教授、荻野芳彦・大阪府立大学名誉教授、田中康夫参院議員が講演しました。

 今本氏は治水の観点から発言。河口に近く、流域面積の小さい石木ダムには洪水調整効果はないとして、ダムによらない治水を呼びかけました。

 荻野氏は、石木ダム建設を推進している県・佐世保市の水需要予測は過大だと指摘。佐世保市の水は足りていると述べ、節水や経営努力によって水道計画を再検討し、ダム建設を撤回すべきだと訴えました。

 会場からは、ダム建設の経済効果や環境への影響、佐世保米軍基地での水使用状況、また、「川は誰のものか」などの質問が出され、三氏が答えました。

 集会では、石木ダム建設の事業認定申請を行わないよう求める集会決議文を採択。同趣旨の署名に取り組むことを確認しました。