「しんぶん赤旗」2009/5/31
諌早干拓
国県は開門を早く 
長崎地裁で弁護団陳述 

 長崎県小長井・佐賀県大浦の漁民が諫早湾潮受け堤防排水門の開放を求めている裁判の口頭弁論が二十五日、長崎地裁で行われました。

 原告漁民の松永秀則さん、弁護団の堀良一弁護士が陳述しました。

 松永さんは、開門まで六年以上という国のアセス計画に対し、「漁民はもう待てない。生活は限界」だと訴え、早期の開門を求めました。

 有明海漁民、沿岸住民は開門を望んでいると述べ、開門反対に固執する県を「反対派を煽っている」と批判しました。

 堀弁護士は弁護団の開門のための対案を提示し、国に漁民と協議を再開するよう求めました。
 馬奈木昭雄弁護団長が国に、「反論すべき」と主張したことに対し、国は反論する意思を示しませんでした。
 
 報告集会で馬奈木団長は、反論しようとしない国の態度を「ほおかむりするもの」だときびしく批判しました。

 「後背地・干拓農地の農民は敵対者ではない」と強調。弁護団の対案は「いっしょにがんばれる課題」だと述べ、対案を農民に知らせ、共同することの重要性を訴えました。

 さらに、「本当に対立し、事業を妨害しているのは長崎県」だと批判し、そのことを県民に明らかにしていこうと呼びかけました。