「しんぶん赤旗」2009/5/19
諌早干拓農地に税金使うな
 長崎県は方針転換を
控訴審 原告3人が陳述

 諫早干拓農地へ県民の税金を支出するのは違法だとして差し止めを求めている裁判の第五回目の控訴審が十八日、福岡高裁で開かれました。

 裁判では、原告側三人が陳述しました。

 弁護団の堀良一弁護士は、劣悪な水質の調整池の水を農業用水として利用するという営農方針のもとで公金を支出することの是非を重要論点とするこの裁判で、潮受け堤防排水門の開門によって、この裁判の論点は消滅すると主張。

 国会で開門の機運が高まり、多くの長崎県民がこの事業に疑問を持つ中、長崎県だけがかたくなに開門を拒否していると批判し、「県民に対して事実を正確に伝え、県民世論に真摯に耳を傾ければ開門は実現する」と述べました。

 横林和徳さんは、排水不良や「環境保全型農業」の実態など干拓農地の問題点を指摘。県が農政局に開門調査をしないよう求めたことに対し、「県は、関係者の利害を煽るだけ。地域住民の共存共栄をめざすことこそ行政の任務」と述べ、県に方針転換を求めました。

 五島久嗣さん(代読)は、県民世論の動向について陳述しました。
 
 次回裁判は八月二十四日です。