「しんぶん赤旗」2009/04/15
豊穣の海取り戻す 
諌早湾閉め切り12年でシンポ


 諫早湾干拓による湾閉め切りから十二年。有明海の再生をさぐるシンポジウム(諫早干潟緊急救済本部・干潟を守る日諫早実行委員会主催)が十一日、諌早市で開かれました。

 主催者あいさつで救済本部の山下八千代代表は、「干潟を取り戻すために体が続く限りがんばりたい」と決意を語りました。

 田北徹長崎大学名誉教授が講演。生物の生態、有明海特措法の問題点にふれながら、「環境を破壊すれば、豊穣の海を将来に残すことはできない」と生態系を守る重要性を強調しました。

 「よみがえれ!有明」訴訟弁護団の堀良一事務局長が裁判の経過を報告。「国会と法廷内外でのたたかいが農水省を動かしている。開門まであとひと押し」と述べ、「このひと押しに相当の力が必要」だと今後のたたかいを呼びかけました。

 シンポジウムで、松永秀則さんら漁業者は、「国に苦しい生活を強いられた。一生かかっても海を取り戻したい」「漁業者のプライドがある。漁業のできる海にして後継者をつくりたい」などと生活の苦難と漁業再生への願いを語りました。

 集会参加者からは、「『食』を守りたい。一市民にできることは何か」など意見や質問が出されました。