「しんぶん赤旗」2009/4/19
格差、貧困、戦争
 雨宮処凛氏語る


 若者の雇用問題や貧困をテーマに活動を続けている作家の雨宮処凛氏の講演会(実行委員会主催)が十一日、長崎市内で開かれ、「格差・貧困・戦争」について語りました。

 講演会は高木佳世子弁護士との対談形式でおこなわれました。

 その中で雨宮氏は、ネットカフェ難民や正規労働者の異常な過重労働の実態を自身の経験も含めて語りました。

 日本では生活苦のために自殺する人が多く、「人に迷惑をかけてはいけない」という教育を受ける中で、自分が生きていることが迷惑だと思い込まされていると指摘。「必要なときには『迷惑をかけてもいい』というメッセージが大切」だと語り、政治家のいう自己責任論は政治の責任逃れだと批判しました。

 また、アメリカの貧困層がイラク戦争へ駆り出された例をあげ、「貧困を突き詰めていくと戦争につながっていく」と強調。戦争は究極の貧困ビジネスであり、貧困問題と九条を守る運動はどちらも重要なテーマだと語りました。

 講演を聞いた四十代の女性は、「今の若者の働かされ方の実態にわが子の未来が重なります。若者が希望を持てる社会にしていかなければとあらためて思いました」と感想を語りました。