「しんぶん赤旗」2009/3/28
国信じた自分が悔しい
 長崎地裁 諌早湾の漁民訴え

 諫早湾潮受け堤防の開門・漁業再生を求めている小長井・大浦漁民の裁判が二十三日、長崎地裁で開かれ、原告・弁護団が陳述しました。

 原告の漁業者は、「国にだまされた。漁業被害は二割と言った国を信じた自分が悔しい」と干拓が始まってから一変した生活の苦悩を語り、「少しでいいから門を開けてください。有明海でタイラギ漁がしたい」と訴えました。

 後藤富和弁護士は、国会、大臣レベルでは開門は当然の前提条件になっていると指摘し、「農水官僚だけが禅問答のように回答をはぐらかし、開門の実施を先延ばしにしている」と批判。法務大臣が「開門」を佐賀地裁判決への控訴の条件にしていたことを示す国会答弁を紹介し、国に、速やかに開門の実施に向けた協議の場につくよう強く求めました。


 報告集会で馬奈木昭雄弁護団長は、「開門しないことがいかに不合理か県民の中に明らかにしていくことが重要」だと述べ、開門できるかどうかは県民の運動にかかっていると強調しました。堀良一弁護士は、「攻勢的に開門のプロセスを示していきたい」と述べました。

 集会では、「県庁前でのビラ配布は九割の人が受け取った。市民の反応もよい。長崎県が変わることがひとつのカギ」「「干拓地周辺には宣伝が行き届いていない。音の出る宣伝が大切」などの意見が出されました。