「しんぶん赤旗」2009/03/19
原爆症認定訴訟 
被爆証言DVD上映 
福岡高裁

 長崎原爆症認定集団訴訟の第二回控訴審が十六日、福岡高裁で開かれ、支援者など約五十人が傍聴に駆けつけました。

 原告側は被爆の実相を裁判所に知ってもらおうと、被爆証言DVDを上映しました。

 これは高校生一万人署名実行委員会が作成したもので、今回、下平作江さんなど被爆者四人の証言が上映されました。

 上映について、国は争点と被爆の実相には関連性がないとして反対していましたが、弁護団はこれを証拠として提出し、上映が実現。被爆の苦しみを語るDVDに裁判官や国の代理人も見入り、傍聴席では涙を拭う人の姿も見られました。

 国側も陳述。「原爆症認定には疾病が放射線に起因することを高度の蓋然性を証明すべき」と述べるにとどまりました。

 中村尚達弁護団長は、「被爆の悲惨さと切り離して放射線の影響の有無だけで判断できない。因果関係の正しい判断をするために裁判所に被爆の実相を理解してもらう必要がある」と語り、裁判所で「DVDが訴えたものは大きかった」と評価しました。

 支援者からは、「政府・厚労省を追い詰め、裁判官の考えを変えてきていると感じる」「上映の意義大きい。勝利の確信を得た」などの意見が出されました。

 日本共産党のふちせ栄子衆院比例候補(1区重複)も傍聴しました。