「しんぶん赤旗」2009/2/28
謝罪・根絶へさらに
三菱じん肺第二陣訴訟 控訴審勝訴確定で総会


 じん肺被害者への謝罪と損害賠償などを求めていた「三菱重工長崎造船じん肺第二陣訴訟」。

 三菱の加害責任を断罪する控訴審判決が二十日、三菱重工が上告を断念したことで確定し、二十四日、原告・弁護団が臨時総会が開かれました。

 故人となった原告十二人に黙とう。初柴俊夫原告団長があいさつしました。初柴氏は、五年二か月におよぶ裁判の労をねぎらいつつも、「まだ、三菱から謝罪を受けていない」と三菱の態度を批判し、下請けも含めた補償制度の改定を求めました。

 さらに、「根絶しない限り、被害者が出てくる」と述べ、作業環境の改善要求など根絶のためのたたかいを強調。「連帯の力で被害者救済、根絶の運動を続けよう」と訴えました。

 熊谷悟郎弁護団長は、判決の一部時効による棄却、CT鑑定による賠償額の半減など「納得できない」としつつも早期解決のため上告しなかったと述べ、三菱のこれまでの裁判引き延ばしを批判。「『金さえ払えばよい』という態度は許さない」と今後のたたかいを呼びかけました。

 総会では、賠償金の支払いだけで加害企業の責任を免責するものではないとして、三菱に対し、じん肺患者・遺族に対する謝罪や補償制度の改定、じん肺根絶のための措置などを求める決議を採択しました。

 参加した原告からは、「「遺影をかかげての本社行動は三菱に衝撃を与えた」「全面解決までがんばいたい」などの感想が出されました。