「しんぶん赤旗」2009/1/30
戦争体験聞く 
長崎で平和委員会

 戦争・被爆体験を聞く活動をおこなっているながさき平和委員会はこのほど、長崎市で定例会を開き、戦争体験者の話を聞きました。

 田中實さん(78)が、生い立ちや当時の学校教育にふれながら「私が軍国少年だった頃」の体験を語りました。

 田中さんは、憲兵だった父親が、満州で住民に何をしてきたか、家庭では「普通の親」だった父親が、「身内としては耐えがたい」おこないをしてきたことへの痛苦の思いを語り、民族独立運動への弾圧など、日本の中国への介入は「まさに侵略戦争だった」と話しました。

 また、憲兵の子として軍人になることを期待され、学校では「いかに立派に戦争で死ぬか」と軍国主義の教育を受けていたことなど、教育の恐ろしさを強調しました。

 「戦争がいかに空しいか」。戦争の教訓として生まれた平和憲法が破られようとしていることに強い危機感を表明。知らず知らずのうちに一つの方向に向けられる危険性を指摘し、国民保護法など国民統制の危険な動きを警告しました。

 参加者は、初めて聞く田中さんの話に衝撃を受けながら聞き入っていました。「話を聞いてぞっとした。今まで本を読んだり、見てきたことと重なった。繰り返し学ぶことで戦争を想像できる。周りの人にも働きかけたい」など感想が出されました。