20085/1/22「しんぶん赤旗」
「蟹工船」上映会に五百人


 小林多喜二原作の映画「蟹工船」の上映会が十七日、長崎市の県勤労福祉会館で開かれ、三回の上映で五百人の市民が観賞しました。

 映画「蟹工船」を観る会が主催したものです。
 

 午前中の上映では二百人以上が詰めかけ、立ち見が出るほどでした。

 上映に先立ち、「観る会」の飯田彰吾代表は、「蟹工船から八十年たった今でも労働者に対して非人間的な扱いがされている社会に対して怒りを持ってほしい」と述べ、「この映画は原作と違う結末だが、そのあとどうするかを考えていただきたい」とあいさつしました。

 上映終了後、観客は「すごい迫力だった」「重い映画だった」などと感想を口にしていました。

 「人をぼろ布のように使う者たち。現代に通じる労働者の働かせ方。怒りがわきました」(五十歳女性)、「現代の派遣切りは人間を人間として扱わない奴隷船と同じ。理不尽さを許さないたたかいに今こそ立ち上がろう」(七十四歳男性)、「蟹工船の労働者の姿に非正規労働者の現実が重なりました。造船の労働者も六割が非正規。働くルールを取り戻す必要性を感じました」(五十三歳男性)など、感想文には非正規労働者の現実と重ね合わせたものやたたかう決意を語ったものが多く見られました。

 飯田代表は「たたかいと弾圧。自分なりの結末を考えるよい機会になったのでは」と話しました。