「しんぶん赤旗」2008/12/23
有明海訴訟 
開門で協議を
 弁護団が要求

 有明海の再生をめざして諫早湾干拓潮受け堤防の開門を求めている「よみがえれ!有明海訴訟」小長井・大浦漁業再生請求訴訟の第四回目の裁判が二十二日、長崎地裁で開かれ、原告・弁護士が陳述しました。

 佐賀県大浦の漁民平方宣清さんは、漁業被害に対する国の調査方法に疑義を呈し、「漁師ならだれでも間違いだとわかることを県の担当者は『上から言われているので仕方がない』。こんな調査があっていいのか」と批判し、「国は被害があることを知っているはず。漁民を救いたいと思うなら一日でも早く開門してほしい」と訴えました。

 森永正之弁護士は、潮受け堤防の閉め切りによって諫早湾の漁場環境が悪化し、漁業行使権が侵害されていると主張。「被害は深刻であり、漁業者には時間がない。開門はまったなし」だと述べ、裁判所に、開門に向けた協議のイニシアを取るよう求めました。

 馬奈木昭雄弁護団長は、開門方法が示され、農水大臣も開門を前提に佐賀地裁判決に控訴したにもかかわらず、「農水省は開門になぜ反対するのか」と問い、漁業補償をした短期開門の被害について立証すべきだと迫りました。

 裁判に先立ち、「支援する会」では、県庁前や大丸前で宣伝(写真)。「佐賀地裁判決に従って開門し、有明海の再生を」と訴えました。