国境を越えた連帯を
 マレーシア原爆展に長崎市長


 原水爆禁止日本協議会が来年一月にマレーシアで原爆展を開催します。

 県原水協の柴田朴代表理事、川口龍也常任理事らはこのほど、長崎市役所を訪れ、田上富久市長から同展へ向けたメッセージを受け取りました。

 被爆地長崎の声を届けようと同協議会が市長に要請していたものです。

 メッセージは、世界の情勢は新たな核保有国が出現するなど核兵器廃絶の願いとかけ離れた方向に進んでいると指摘し、核兵器のない未来のためには世代や国境を越えた連帯が必要だと呼びかけています。

 同展に参加し、メッセージを届ける川口氏は、「マレーシアは戦場になった地であり、平和を求める点で共通する。原爆展で交流を深め、核兵器廃絶の運動を励ますものにしたい」と述べました。

 田上市長は「(核廃絶に)マレーシアの影響は大きい。アジアと交流することが平和につながると思います」と語りました。

 この原爆展は、被爆の実相を広め、核兵器廃絶の世論を喚起しようと開催されるもので、マレーシア政府が後援しています。

 日本原水協は同国が核兵器全面禁止条約に積極的な役割を果たしているとして、同国政府と共同を強めることは二〇一〇年の核不拡散再検討会議成功のためにも重要だとしています。被爆者などが参加し、パネル展や署名、政府との懇談や交流などを行う予定です。