小児医療をまもろう 
保険医協会が佐世保で講演会

 深刻化する小児医療について考えようと長崎県保険医協会県北支部は「みんなで守ろう!小児医療」をテーマにこのほど、佐世保市で講演会を開催。二人の小児科医が講演しました。

 佐世保市立総合病院の上玉利彰医師は、佐世保地区の小児医療の集約化と救急医療の現状について語り、今後の課題として病床の増床、休日の診療体制の確立が求められていると述べました。

 「絶滅危惧種」についての話だと切り出した長崎大学医学部附属病院の森内浩幸医師は、労働基準法も無視した過酷な勤務医の労働実態を告発。

 「小児科の勤務医は疲れ切り、風前の灯」だと述べました。先進国のなかで日本ほど小児科医が少なく、医療費が国家予算のなかで占める割合が小さい国はないと批判しました。

 そのなかで高度な専門性が求められる病気が増えていると指摘。医師数が絶対的に不足している状況のなかで、「小児科医が倒れたら子どもたちを助けることはできない。医師の犠牲のうえに成り立つシステムはいつか破綻する」と強調。

 コンビニ感覚の受診の自粛を求め、市民との共同で長崎県の乳幼児死亡率トップ10入りをなくしていこうと呼びかけました。