「しんぶん赤旗」20085/11/11
県が開門反対のパンフ 
世論に反すると批判の声


 諫早湾干拓潮受け堤防排水門の開門を求める世論が大きくなるなか、長崎県は開門に反対するパンフレットを作成。開門を求める県民からは「世論に反するもの」と批判の声が上がっています。

 パンフは、開門によって▽防災機能が発揮できなくなる▽開門対策に膨大な工事費がかかる▽塩害など農業への影響▽自然環境の破壊▽ガタ土が広がり漁業へ壊滅的影響があるとして反対の立場を示しています。

 県諫早湾干拓室では、「干拓の効果、内容を広く知ってもらう」ためとして当面イベント用に千部作成。今後増刷する予定です。

 「よみがえれ!有明海訴訟」を支援する長崎の会の代表の一人である高村暎さんは、「使い古された嘘とだましの手法をならべて県民を惑わせ愚弄する不真面目で無責任極まりないもの。開門は一定の手立てを講ずれば何の支障も生じない。農業用水を新たに確保し、旧堤防の樋門と堤防を補修して、開門の際は状況に応じて柔軟な開門操作を行えばよいことは当局も百も承知済みのこと。開門すれば災害が起こるとか六千億円をこす費用がかかるなどと、開門を拒否することは漁業の再生と干拓地での良好な営農環境の実現を当局は願っていないことを示している。このような悪宣伝を打ち破り、世論の力で一刻も早い開門を勝ち取りたい」と語っています。