「しんぶん赤旗」2008/9/30
開門方法協議応じよ  
有明海訴訟 原告ら意見陳述  長崎地裁

 長崎県諫早湾内の漁業関係者が干拓事業で設置された潮受け堤防排水門の開門などを国に求めた訴訟は二十九日、長崎地裁で第二回口頭弁論が行われました。

原告弁護団は、開門方法などを話し合う協議に応じるよう国に求めました。

 この日の口頭弁論では、漁業者二人と原告側弁護士三人が意見陳述。漁業者らは現在の漁業ができない窮状を訴えました。

 その上で、原告の中村則之さん(六八)=同県小長井町=は「漁業補償を受け取ったのは当時の年収一年分だけ。少しは被害が出るが、漁業はできると言った国を信じた。そうでなければこれだけの補償で納得するはずはない」と述べました。

 弁護団は、諫早湾内の漁協に他の地域と比べても高額の補償がされていることを指摘。「湾内の漁場について確実に被害が出ることを認めていたこと以外に説明できない」として干拓事業と漁業被害の因果関係は決着済みで争うことが許されないと主張しました。

 ノリ第三者委員会や専門委員報告書、佐賀地裁判決が因果関係を認めていることを挙げ、「開門実現に向けた協議に入ってください。あなた方の態度に漁民の生命がかかっている」と訴えました。