「しんぶん赤旗」2008/9/4
安全未確認 
原子力艦入港認めぬ
 
県議会が意見書

 長崎県議会は三日、臨時議会を開き、安全性が確認されない原子力艦船の入港を認めない意見書を全会一致で可決しました。

 意見書は、米原子力潜水艦「ヒューストン」の放射性物質の漏洩は、量の問題ではなく、漏洩そのものが問題であり、被爆県の県民に大きな不安を与えたと指摘。県議会として、「安全性、監視体制、防災体制がないままでの原子力艦船の佐世保港入港は安易に容認でき」ないとしています。

 国に対し、▽安全性に係る情報・通報体制の厳正な遵守▽漏洩の原因究明、再発防止・安全性の確保を米国に求め公表すること▽佐世保港南部のモニタリングポストの増設▽原子力防災訓練への米軍の参加を求めること▽原潜の入出港通報の事前公表中止措置解除を米国に求めることの五項目を要求しています。

 日本共産党長崎県委員会は、「ヒューストン」の放射能漏れ事故を受け、原子力艦船の入港を拒否するよう長崎県に申し入れを行っていました。

 意見書に賛成した堀江ひとみ県議は、「ヒューストンの事故は『安全神話』を過去のものにしました。日米地位協定に対する態度は違っても、被爆県が県民の安全を守る一点で一致できたことは大きい」と話しました。

 佐世保市議会でも同主旨の意見書が八月二十一日、採択されています。

 県議会では、米印原子力協力に関し、日本政府の核不拡散・核軍縮体制推進を求める意見書も同日可決されました。