「しんぶん赤旗」2008/8/15
有明海訴訟 
被害データ提出要求 
長崎県に原告団


 よみがえれ!有明海訴訟原告団・弁護団と支援者は十二日、長崎県知事あてに要請書を提出し、回答と資料の提出を求めました。

 要請項目は、▽堤防締切前後の後背地の湛水被害のデータの報告▽短期開門調査時の漁業被害のデータ▽昨年のアサリ被害の原因と今年度の対策▽アオコの毒性が指摘されているが調整池の水を農業用水と使用することに問題はないか▽大量のユスリカの発生による交通上の支障に対する対策など七項目です。

 弁護団は、「事実に基づいた議論を」と前置きし、湛水被害について、堤防締切後が被害の回数が増えているとの調査結果を示し、県のデータを提示するよう要求。「データを示さなければ県民の誤解をまねく」と指摘しました。

 また、調整池のアオコの写真も示しながら、その危険性について認識をただしました。

 対応した県諫早湾干拓室の橋本祥仁室長は、「国内の被害はなく、安全」だと述べました。弁護団は、「海外では事例が報告されている。調べもしないで安全だと言っていいのか」と批判しました。

 開門を求める漁民訴訟の松永秀則原告団長が、今年の赤潮被害について報告。弁護団はその対策を迫りました。

 橋本室長は、二十二日までの回答期限について明言せず席を立ち、参加者から抗議の声が上がりました。