「しんぶん赤旗」2008/8/5
アオコ止める開門を早く
 有明海再生へシンポ


 有明海の再生をめざして活動している漁民ネットワークなど六団体が共催し三日、諌早市でアオコシンポジュームが開催され、漁民や市民百三十人が漁業と農業の両立の道をさぐりました。

 熊本保健科学大学の高橋徹教授が、諫早湾の調整池に発生するアオコとその毒素について講演。

 ミクロシスチンといわれるこの毒素は強い毒性を持ち、慢性肝炎や肝がんを引き起こす可能性があり、野菜への残留、海産動物への濃縮などが懸念されると指摘しました。

 高橋教授は、「アオコの発生を放置すると毒素の蓄積量を限りなく増大していることとなる。一刻も早く海水を入れ、アオコの発生を止めることが重要」と述べ、開門はその唯一の方法だと強調しました。

 パネルディスカッションでは、松永秀則さんら漁民が、今また赤潮で、魚やカニが死んでいることを報告。一刻も早く開門しなければ海が再生できなくなると危機を訴えました。

 シンポには、日本共産党の仁比聡平参院議員、自民党の広津素子衆院議員も出席しました。広津議員は、「閉め切りで生態系が変わらないわけがない。下水の高度処理水を農業用水に。ピンチをチャンスに変えよう」と発言。

 仁比議員は、「アセスをいうなら開門こそがアセス。開門以外に漁業と農業両立させる道はない。国会では党派を超えて有明海再生のたたかいが農水省を包囲している。世論を結集して、すみやかに開門せよと政治決断を求めていく」と決意を述べました。

 このシンポに先立ち、アオコの現地調査が行われ、仁比議員、ふちせ栄子衆院比例候補(長崎1区重複)らが参加しました。