「しんぶん赤旗」2008/06/29
早期開門を要請 
長崎県などに有明海訴訟原告

 開門を命じた佐賀地裁の判決を受け、「よみがえれ!有明海訴訟」の弁護団は、二十七日の判決後長崎県知事や県議会、県漁連に一日も早い開門を要請しました。

 要請行動に集まった支援者からは喜びの声があふれました。

 要請には、弁護団の縄田浩孝弁護士はじめ原告、支援者約三十人が参加。知事への要請では、原告の中田猶喜さん(58)が漁民の窮状を切々と語り、「漁民には一刻の猶予もない。早急に開門し本来の有明海を戻してほしい」と訴えました。

 紫藤弁護士は、判決が、国が中長期開門調査をしなかったことを立証妨害としてきびしく批判していることにふれ、「国は義務を果たしていない。国の立証妨害を認めた判決は知る限り初めて。控訴しても無駄だ。立証妨害を高裁がひっくり返すことはない」と述べ、控訴しないよう要請しました。参加者からも、県の姿勢を批判する意見がだされました。

 対応した県諫早湾干拓室の橋本祥仁室長は、「知事に伝える」と述べました。

 原告の有明漁協の橋本武さん(60)は、「これまで国に騙され、無視されてきた。廃業に追い込まれる漁民も多い。表だって言えないだけで漁民はみんな陰では開門を願っている。実際に開門されるまでは不安だが、判決はうれしい」と語りました。