「しんぶん赤旗」2008/6/25
原爆症認定地裁判決 
「七人却下」に怒り 
全員救済へ集会、座り込み

 二十三日判決が言い渡された長崎原爆症認定集団訴訟。原告・弁護団は判決後、報告集会と国に控訴断念を求める座り込みを行いました。
 
 「残念だ。亡くなった八人にどう報告すればよいか。しかし、ここで引き下がるわけにいかない。私たちには時間がない。なんとしても早期解決させたい」。

 報告集会で森内實原告団長は苦渋の面持ちで語りました。

 被曝線量が少ないことや放射線以外に疾病の原因があることなどを理由に七人が棄却されたことに対し、原告や支援者から批判が相次ぎ、遺影などを手に前に並んだ原告の表情に笑みは見られませんでした。

 市場楳春さん(62)は胎内被爆者です。市場さんの母親は爆心地から約二・五`の長崎駅前で被爆しました。今回、被曝線量が小さいなどとして棄却されました。市場さんは、十二指腸、胆のう、すい臓など患い、切除しています。
 「きびしい判決だった」と肩を落とし、「私のあと、被爆二世、三世の人が続いてくれれば」と話しました。

 報告集会のあと、原告らは、国の控訴断念を求めて平和祈念像前で座り込みを行いました。強い日差しの中、被爆者らは、「みんなの力で原告全員の勝利を勝ち取ろう」と声を上げました。

 長崎原爆被災者協議会の山田拓民事務局長は、「戦争を起こした国に戦争責任を認めさせよう」とこれからのたたかいを呼びかけました。