「しんぶん赤旗」2008/6/20
三菱造船じん肺訴訟
福岡高裁の報告集会


 六日開かれた三菱長崎造船じん肺訴訟第二陣の福岡高裁第二回裁判(進行協議)の報告集会が十四日、長崎市内で開かれました。

 熊谷悟郎弁護団長は、裁判所がじん肺のCT所見をどう判断するか、三菱が和解に応じるかの二点を裁判の論点として上げ、今後の裁判の行方について報告しました。

 CTについて熊谷弁護士は、じん肺をCTのみの所見で認定することは現行法上できず、このやり方で認定を認めなければ法を変質させる結果になると指摘しました。

 三菱下関造船所で働く下請労働者のじん肺・アスベスト訴訟が四月提訴されたことから、三菱はここで和解すれば現行補償制度を見直さざるを得ず、和解しづらい状況があると述べ
、最高裁へ持ち込まれる可能性を示唆しました。

 「三菱は飲めない意見書を示す卑劣な対応をする可能性があるが、判決を恐れる態度を見せないことが重要」だと強調しました。

 その上で、三菱を社会的責任の問題として追い込んでいくことがポイントだと述べ、早期解決のため、支援者の力も借りながら患者自身がたたかいの先頭に立つことを呼びかけました。

 原告からは、「争わなくてもよい制度をつくり、働きやすい職場になるまでやめることはできない。勝利までがんばる」など決意が語られました。