「しんぶん赤旗」2008/4/29
「シッコ」上映前に
日米の医療を学ぶ

 五月、六月の映画「シッコ」上映会を前に、上映実行委員会は二十四日、「映画『シッコ』をどう見る」と題する学習会を開き、アメリカの医療荒廃と日本の医療制度の危機について学習しました。

 県保険医協会の千々岩秀夫会長が、日本と米国の医療制度について講演。両国の医療制度を対比させながらその特徴や問題点をわかりやすく語りました。

 千々岩氏は、日本の国民皆保険制度はだれでもどこでも同じ医療を受けられる平等を重んじた社会主義的医療であるが、アメリカは、民間保険会社が支配する市場原理主義医療であり、多数の無保険者や医療の格差を作り出していると指摘しました。

日本では低医療費政策を続けた結果、産科・小児科が消え、勤務医が過労死ラインにあるなど医療の崩壊の実態を告発。日本の政府、経済界がアメリカ型の医療を導入しようとしていることを批判しました。

 県社会保障推進協議会の山崎倉俊事務局長は、後期高齢者医療制度の問題点についてのべ、この制度が医療費の削減のみを目的に強行されたものであると指摘。「財界とアメリカ資本の要求する医療が限りなく『シッコ』の世界へ続くもの」とのべました。

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 上映は長崎市が5月31日、6月7日が諫早市です。