「しんぶん赤旗」2008/4/2
開門して、農漁業救え
長崎漁民らが抗議集会
諌干営農事業は開始

 諌早湾干拓農地で営農が開始された1日、「沿岸漁業・地元農業、どちらも大事、心を一つに排水門開放を!4.1現地集会」が雲仙市の潮受け堤防・南部水門近くの広場で開かれました。

 沿岸市民や労組・民主団体など約60人が参加しました。集会では排水門の常時開門や調整池の水質改善などが訴えられ、その後パレードが行われました。

 漁民を代表して発言した島原市・有明漁協の篠塚光信さん(49)は、調整池からの排水が原因で一昨年から養殖ノリが育たなくなった、と経済的な窮状を訴えました。
 「陸の上の仕事」に就かざるをえない漁民もいるなど「島原の漁業は壊滅的状況だ」とのべ、漁業再生に向けた支援、連帯を強く呼びかけました。
 
 よみがえれ有明訴訟弁護団からは紫藤拓也弁護士があいさつ。開門をかちとるには、運動による世論づくりが大事だと強調し、「裁判を一つの手段に、世論を変えていきたい」と抱負を述べました。

 採択された集会宣言は、▼排水門を常時開門し有明海再生への道筋をつけること▼調整池への海水導入で干潟を再生し、浄化能力と魚介類の産卵場を回復させること−などを求めています。
 また、▼干拓農地でとれる農産物の安全・安心を保障し▼大規模経営農業だ゛けでなく地元の零細農家への手厚い支援策−を求めています。