「しんぶん赤旗」2008/3/30
産廃処分場から水守れ
 三方山訴訟が和解   長崎地裁

 長崎市民の飲料水の安全を守ろうとたたかわれていた三方山水源訴訟が25日、長崎地裁で和解しました。

 この裁判は、産業廃棄物処分場から流出する有害物質で、市民の水がめである神浦ダムの水が汚染されるとして、産廃処分場の操業停止などを求めて市民らが2001年1月に提訴していたものです。

 和解案の柱は、環境保全委員会の設置です。生活環境保全上の観点から、処分場内の作業の一時停止および再開、汚染防止対策などを検討することとなっています。原告、被告、専門家などで構成され設置期間は5年となっています。

 ダム上流の三方山にある産廃処分場は1975年に操業開始。以来、ダム湖に淡水赤潮などが発生、市議会などでも「処分場による汚染が原因では」と指摘されていました。97年、市による水質データ改ざん事件が発覚、市議会に環境問題調査特別委員会が設置されました。

 07年度の水質調査でも三方山周辺では、総水銀量、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素、大腸菌群数など環境基準を大きく超えています。

 日本共産党の中西敦信市議は、2月議会の文教経済委員会でこの問題を取り上げ、市の姿勢をただしました。

 和解報告集会(写真)で、梶山正三弁護士は、委員会設置は運動の成果だとのべ、今後、市民が監視していくことの重要性を強調しました。

 日本共産党長崎市議団は「三方山水源訴訟を支援する会」とともに裁判支援、議会でも繰り返し取り上げてきました。