「しんぶん赤旗」2008/3/28
開門で有明海再生
公害弁連、諫早でシンポ


 全国公害弁護団連絡会議は二十三日、諫早市内で第三十七回総会記念として有明海の再生について考えるシンポジウムを開催しました。

九州大学大学院の経塚雄策教授が、有明海の潮流や潮受堤防開放の方法などについて基調報告を行いました。経塚教授は、開け方を工夫すれば、環境や漁業への影響を考慮しながら開門はできると強調しました。

 パネルディスカッションでは、よみがえれ!有明訴訟の馬奈木昭雄弁護団長や有明海で漁業を営む松永秀則さんなど五人がそれぞれ意見をのべました。

 松永さんは、干拓工事が始まってからの有明海の異変や、不漁のため干拓工事に従事せざるを得なかった苦悩を語り、「閉め切りの影響を明らかにするためにも開門が必要」と訴えました。

 馬奈木弁護士は、開門すれば問題は解決するとのべ、農業と漁業、対立ではなく統一して有明海と地域を再生させようと呼びかけました。

 会場からは、「海を後世に残してやりたい。漁業は壊滅的。救うのは政治の力。世論高める支援を」「開門し、干潟の営みをとりもどさせよう」などの意見が出されました。

 公害弁連は、シンポジウムに先立って総会を開き、「諫早湾干拓潮受堤防排水門の開放を求める決議」を採択しました。