「しんぶん赤旗」2008/3/25
原爆症認定
被爆者を線引き
支援する会が批判


 原爆症認定集団訴訟を支援する会・長崎は二十二日、長崎市鉄橋で宣伝署名行動を行い、厚労省が原爆症認定の新基準を決定したことを批判しました。

 会のメンバーは、「放射線の塵はどこまで広がったかわからない。そこから先は被害がないなど非科学的。新基準は距離によって被爆者を線引きするもの」「被爆者を分断することは許されない。被爆者は高齢化している。一日も早い救済を」と訴えました。

 署名した被爆者の女性は、「一・八`で被爆した。同じ被爆者として距離で分けるのはおかしいと思う」と話しました。

 宣伝に参加した長崎原爆遺族会の下平作江会長は、「被爆者を距離で線引きする誤りを再び侵そうとしている。距離で被害ははかれない。これまで被爆者はさまざまな病気で苦しんできた。許せない」と語りました。

 同会は新基準に抗議する声明を十八日、舛添厚労大臣に送付。被爆者団体と協議中にもかかわらず厚労省が「新しい方針」を決定したことをきびしく批判。容認できないとして、▽決定を破棄し、協議を再開すること▽被爆者のなかに線引きを行わないこと▽判決をふまえ、認定する範囲を拡充することなど四項目を求めています。

 新基準について、長崎原爆被災者協議会も「心底からの憤りを禁じ得ない」と抗議の声明を発表しています。