「しんぶん赤旗」2008/3/27
薬害肝炎で説明会
長崎市 認定相談が多く寄せられ

 長崎県は二十日、長崎市内で薬害C型肝炎に関する説明会を開き、約三百三十人の市民が参加しました。

 県は、昨年十一月に県内十二か所に相談窓口を設置。今年二月末までに、認定などに関する相談が約三千七百件寄せられるなど関心が高まっていることから、県が薬害肝炎九州弁護団と連携して開いたものです。

 弁護団の古賀克重事務局長が、裁判の経過や全員救済の意義、薬害肝炎被害者救済特別措置法の内容について説明しました。

 説明会では原告の福田依里子さんも発言。「長くつらい裁判だった。三百五十万患者の苦しみは同じ。患者が安心して治療できるよう体制を確立してほしい。よりよい恒久対策を勝ち取りたい」と語りました。

 認定に血液製剤が投与されたことを証明するものが必要なことから、カルテなどがなく認定が難しい人たちから不安の声が数多く聞かれました。

 市内に住む田村陽子さん(仮名)は、七八年に出産。直後大量出血し、手術。止血剤を投与されました。しかし、それがフィブリノゲンであることは証明できません。「カルテの保存は五年。どうやって証明しろというのか。この間、手を尽くしたがだめだった。証明できない人はたくさんいる。納得できない」と話しました。