「しんぶん赤旗」200/2/24
体験伝え、平和守りたい
海老名香葉子さんが長崎市で講演


 エッセイストで、東京大空襲で家族を失った経験を持つ海老名香葉子さんが二十二日、長崎市内で講演しました。

 核兵器の廃絶と世界の恒久平和を目指して活動する長崎平和推進協会の主催です。

 海老名さんは、「暖かなふとんで手足をのばして寝ることができることができる。ごはんを食べることができる。その一つひとつがしあわせ」とやわらかな口調で語り始めました。

 やさしい家族と暖かな町内の人たちに囲まれたしあわせな少女時代。疎開先で見た三月十日の東京の真っ赤な空。火にのまれた父母、幼い弟のこと。親戚のうちを転々としたつらい日々などを語りました。

 「東京大空襲で十万人が亡くなった。ここで戦争をやめていれば、沖縄も広島も長崎もなかった。犠牲になった人たちはどんなに苦しかったろう」とのべ、「孫たちにこんな悲しい思いをさせてはならない。この体験を伝え、平和を守ろうと発信していきたい」とのべました。
 来場した五百人の市民のなかには海老名さんの話に涙する人の姿も。

 講演を聞いた七十代の男性は、「同じ世代。昔のことを思い出した。戦争は二度と嫌です」と感想を語りました。