「しんぶん赤旗」2008/2/7
戦争の連鎖断ち切ろう
長崎平和研究所が講演会


 長崎平和研究所は二日、長崎市内で総会記念講演会を開き、市民約六十人が参加しました。

 同研究所の川原紀美雄所長は、米原子力空母が十一日佐世保港に入港することに、「日米で、アジア、中東で行動できる体制をつくろうとしている。平和にとって重大な時期。原点に戻って平和を考えよう」とあいさつ。

 纐纈厚(こうけつ・あつし)山口大学教授が「平和破壊と平和実現の攻防のなかで〜軍事と歴史の視点から考える9条改憲の動き〜」と題して講演しました。

 纐纈教授は、ニミッツ入港の目的について、具体的な行動計画もないのに入港することは、平和勢力に対する恫喝であると指摘、許してはならないとのべました。

 日本が米軍再編に組み込まれ、軍事化が進んでいることやそれが日本の多国籍企業の要求でもあることを「積極的従属」として詳しく解明。戦争国家へと改憲の動きは潜行しているとのべ、戦争の連鎖を断ち切るため、軍事力に依存しないアジア共同体の構築をめざそうと呼びかけました。

 また、参加者からの質問に答えて、三菱造船所で建造される自衛艦の受注額の大半が米国に支払われ、防衛費が米国の軍需産業の利益を上げるためのものであるとのべると参加者からは驚きの声があがりました。

 講演後、同研究所〇八年度総会を開き、研究活動や他の平和研究機関との連携など、活動方針を決定しました。